廊下を全力で走る。
階段を全力で落ちる。
そして玄関まで全力で走り、全力で靴を履き替え、全力で校門へ向かった。
「待て!」
振り返ると、先輩が追っかけていた。・・・・・・あの人、クールそうに見えて意外と熱いキャラなんだな・・・・・・。しかもさっき教室では持っていなかったかばんを持ってるし。自分とこのクラスに帰ってとってきたのかな?しかもあのかばん、ブランドもの?!
そんなことを考えながら何の騒ぎかと立ち止まってみている下校中の生徒達を無視してわたしは走る。
それにしても冗談じゃない。
何でわたしがあの変な先輩と将来結婚しなきゃならないんだ?しかも、先輩自体は何がたくらんでるし。むかつく。むかつく。むかつくー!!!わたしの知らないところで何考えとるんじゃ男どもは。勝手に何でも決めんな。そしてわたしを巻き込むな!!!
むかむかむかむかいらいらいらいら。
「危ない!」
校門を出たところで、そんな声が聞こえてきた。
え?危ないって?
ふと、怒りモードだった思考を切り替えると、右側から車がこっちに向かって走って来てる。
「あ」
このままじゃ、ぶつかる!
わたしは、