どっきどっきどっき・・・・・・

 心臓の音がうるさい。

 それは朝の目覚まし時計のように。

「何かよう?大野さん?」

 目の前では同じクラスの佐々木君がゴミ袋を片手に聞いてくる。ほんっとうに心当たりが無いようだ。

「あ、あの、佐々木君・・・・・・」

 時:掃除の時間。

 場所:ゴミ捨て場。

 わたしは図書館の掃除でごみを捨てに。佐々木君は教室の掃除でごみを捨てに来たようだ。

 今がチャンス、と、思った。

 誰もいない。

 いや、視界に入っていない。

 佐々木君は部活で忙しくって放課後はほとんどつかまらない。だから、今が、チャンス。ゴミ捨て場の前でも、どこだっていいじゃん。そう、告白するのに場所なんて。

「佐々木君、あの・・・・・・わたし・・・・・・」

 言っちまえ自分!それでこそ自分だっ!

ぶー、ぶー、ぶー・・・・・・

「あ・・・・・・」

わたしはそういって固まった。

「携帯、鳴ってるよ?」

 マナーモードの携帯電話が、ポケットでうごめきだした。

 最悪だ・・・・・・。

 

わたしは・・・・・・

      1、携帯に出る。

      2、携帯に出ない。